卵子凍結の費用、「採卵代」だけ見てたら足りなかった話
「卵子凍結したいけど、いくらかかるか全然わからない。採卵だけじゃなく毎年の保管料もあるんでしょ?」
「東京都の助成金20万円もらえるって聞いたけど、それでも足りなさそう」
「5年保管したら総額いくらになるの? 凍結費用だけじゃなくて、将来使うときの費用も知りたい」
SNS上の匿名の声を要約・意訳しています
卵子凍結を検討するとき、最初に気になるのは「結局いくらかかるの?」ということです。 ネットで調べると「30〜50万円」という数字をよく見かけますが、それは初期費用だけの話。 実際には年間の保管料、将来の融解・移植費用まで含めると、トータルコストはかなり変わってきます。
卵子凍結の費用は「3つの塊」でできている
卵子凍結の費用を「採卵のときに払うお金」だけで考えると、あとから想定外の出費に驚くことになります。 全体を3つの塊に分けて把握するのがおすすめです。
塊1. 初期費用(採卵・凍結)
排卵誘発の注射、採卵手術、凍結処理の費用です。
| 事前検査(血液検査・超音波) | 2〜5万円 |
| 排卵誘発(注射・薬) | 5〜15万円 |
| 採卵手術 | 15〜25万円 |
| 麻酔 | 3〜5万円 |
| 凍結処理 | 5〜10万円 |
クリニックや刺激方法(高刺激/低刺激)によって大きく変わります。 個数が多いほど凍結処理費が上がるクリニックもあります。
塊2. 年間保管料(毎年かかる)
凍結した卵子をクリニックで保管し続けるための費用です。
| 年間保管料の相場 | 2〜6万円/年 |
| 更新手続き費用 | 0〜1万円/年 |
初年度の保管料が初期費用に含まれているクリニックもあります。 凍結個数によって保管料が変わるクリニックと、個数に関係なく一律のクリニックがあるので、事前に確認しましょう。
塊3. 将来の融解・移植費用(使うとき)
凍結した卵子を実際に使って妊娠を目指すときにかかる費用です。
| 融解 | 3〜5万円 |
| 顕微授精(ICSI) | 5〜15万円 |
| 胚培養 | 5〜10万円 |
| 胚移植 | 10〜20万円 |
凍結卵子を使う場合は顕微授精(ICSI)が必須です。 婚姻関係にあるパートナーがいる場合、この段階で保険適用になる可能性があります。
年齢とお住まいを選ぶだけ。登録不要です。
保管年数でトータルコストはこれだけ変わる
「保管料は年3万円くらいでしょ?」と軽く考えがちですが、5年、10年と積み重なると無視できない金額になります。 初期費用40万円、年間保管料3万円で試算してみます。
| 保管年数 | 保管料累計 | 初期費用+保管料 | 融解・移植込みの総額 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 3万円 | 43万円 | 73〜93万円 |
| 3年 | 9万円 | 49万円 | 79〜99万円 |
| 5年 | 15万円 | 55万円 | 85〜105万円 |
| 10年 | 30万円 | 70万円 | 100〜120万円 |
初期費用40万円、保管料3万円/年、融解〜移植30〜50万円として概算。 実際の費用はクリニック・個数・地域により異なります。
10年保管すると保管料だけで30万円。初期費用とほぼ同額です。 「凍結するかどうか」だけでなく「何年保管するか」まで考えておくと、費用の見通しが立てやすくなります。
見落としがちな追加費用
上の表に含まれていない費用もあります。 事前に把握しておくと「想定外の出費」を減らせます。
- 通院時の交通費 — 排卵誘発中は2〜3日おきに通院が必要。2週間で4〜6回通うケースが多いです
- 仕事の休み・調整コスト — 採卵日は直前まで確定しないため、仕事の調整が必要になります
- 2回目以降の採卵 — 1回の採卵で十分な個数が取れなかった場合、再度採卵が必要。その都度初期費用がかかります
- 転院時の卵子輸送費 — 引越しなどで保管先を変える場合、凍結卵子の輸送に5〜10万円程度かかります
費用を抑える3つのポイント
卵子凍結は保険適用外ですが、費用を抑える方法はあります。
1. 自治体の補助金・助成金を活用する
東京都は最大20万円の助成制度があります。大阪府や千葉県など、独自の助成を設けている自治体も増えています。 詳しくは卵子凍結の補助金・助成金まとめで解説しています。
2. 医療費控除で税金を取り戻す
卵子凍結の費用は医療費控除の対象になる可能性があります。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で税金が還付されます。 仕組みは医療費控除の記事で詳しく解説しています。
3. クリニックのパッケージプランを比較する
採卵+凍結+保管1年分をセットにしたパッケージプランを提供するクリニックがあります。 個別に積み上げるより安くなるケースがあるので、複数のクリニックで見積もりを取るのがおすすめです。
「いくらかかるか」は自分の条件で計算するのが一番早い
費用の相場を知ることは大事ですが、最終的には「自分の場合はいくらになるか」が一番知りたいことのはずです。 年齢、住んでいる地域(補助金の有無)、保管年数によって、トータルコストは大きく変わります。
にんかつのミカタの卵子凍結シミュレーターでは、これらの条件を入力するだけで、初期費用から保管料、将来の融解・移植費用まで含めたトータルコストを計算できます。
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免責事項
本記事の金額はすべて概算です。実際の費用は医療機関により異なります。 治療に関する判断は主治医にご相談ください。 制度の最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。
管理人
にんかつのミカタ 編集部
不妊治療中の当事者として、自身の経験をもとに費用・制度情報を発信しています。すべての記事は公的データに基づいています。