タイミング法からステップアップ、費用はどれだけ変わるか
「タイミング法半年やって進展なし。次のステップにいくらかかるか怖くて調べられない」
「ステップアップのたびに費用が跳ね上がるって聞く。具体的な数字が知りたい」
SNS上の匿名の声を要約・意訳しています
タイミング法から始めて、人工授精、体外受精とステップアップしていく。 不妊治療ではよくある流れですが、段階が上がるにつれて費用がどう変わるかを把握している方は多くありません。 この記事では、各ステージの費用を具体的な数字で比較します。
治療ステージ別の1周期コスト
2022年4月の保険適用以降、4つの治療ステージすべてが3割負担で受けられます。 ただし保険点数が大きく異なるため、自己負担額には段階的な差があります。
| ステージ | 保険3割負担 | 自費項目 | 1周期合計 |
|---|---|---|---|
| タイミング法 | 約6,000円 | ほぼなし | 約6,000円 |
| 人工授精(AIH) | 約15,000円 | ほぼなし | 約1.5〜2万円 |
| 体外受精(IVF) | 約90,000円 | 3〜20万円 | 約12〜29万円 |
| 顕微授精(ICSI) | 約150,000円 | 3〜20万円 | 約18〜35万円 |
保険点数は令和6年度の診療報酬改定に基づく概算値です。 自費項目は排卵誘発剤の自費分で、先進医療を含まない場合の金額です。
タイミング法から体外受精へのステップアップで、1周期あたりの費用は約20〜50倍になります。 これが「ステップアップの壁」と感じる方が多い理由です。
治療ステージとお住まいを選ぶだけ。登録不要です。
ステップアップのよくあるパターンと累計費用
よくある治療パターンとして、タイミング法6ヶ月、人工授精4回、体外受精3回というケースで累計費用を試算します。 所得区分ウ(年収約370〜770万円)、先進医療なしの条件です。
体外受精3回目は高額療養費の通常上限(区分ウ: 80,100円/月)を適用。 4回目以降は多数回該当(44,400円/月)が適用される可能性があります。 自費薬・検査の金額によって幅があります。
高額療養費と多数回該当のタイミング
タイミング法や人工授精では、月の医療費が高額療養費の限度額に届かないケースがほとんどです。 高額療養費の恩恵を受けるのは、体外受精に進んでからが中心になります。
さらに、直近12ヶ月で高額療養費の対象月が3回以上になると、4回目からは「多数回該当」として限度額がさらに下がります。 区分ウの場合、通常の80,100円から44,400円に。 体外受精を複数回重ねる方にとっては、この仕組みが累計費用を大きく抑えます。
多数回該当について詳しくは、高額療養費制度の記事で解説しています。
費用の見通しがあると相談しやすくなる
ステップアップの判断は、費用だけで決めるものではありません。 年齢、治療期間、検査結果、そして主治医の見立てを総合的に考えます。
しかし「次のステップに進んだらいくらかかるか」がわかっていると、主治医との相談やパートナーとの話し合いがしやすくなります。 「いくらかかるかわからない」という不安そのものが、判断を遅らせている場合もあります。
人工授精と体外受精の詳しい費用比較は、人工授精と体外受精の費用比較記事も参考にしてください。 費用の全体像については、費用全体像の記事をご覧ください。
出典・参考情報
- 厚生労働省「不妊治療に関する取組」(2024年12月時点の情報)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(2025年3月時点の情報)
- 保険点数は令和6年度診療報酬改定に基づく概算値です(2024年6月施行)
免責事項
本記事の金額はすべて概算です。実際の費用は医療機関や治療内容により異なります。 ステップアップの判断は主治医にご相談ください。
管理人
にんかつのミカタ 編集部
不妊治療中の当事者として、自身の経験をもとに費用・制度情報を発信しています。すべての記事は公的データに基づいています。